東京地方裁判所 昭和42年(借チ)1042号 決定
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
〔決定理由〕4 本件土地の附近は、東側と西側は道路であるし、南側と北側に商店があるが(南側は相手方の経営するマーケット、北側は居酒屋)比較的建物の密集した豪華な商店街であり、かつ本件建物には既に一部二階があつたこともあつて、本件増改築がなされたことによりその周辺に改めて迷惑を及ぼすようなことは考えられない。また本件土地は住居地区で準防火地域の指定があるが、本件増改築計画には右建築基準法等の法令に違反する点は認められない。
右各事実によれば、本件申立は適法であり、かつ本件増改築は土地の通常の利用上相当であるというべきである<中略>
本件土地の借地契約によれば存続期間が昭和四六年三月三一日で残存期間があと三年余であるところ、本件増改築計画によれば、前記のとおり増築する二階部分の階下についてもかなりの補強をすることが認められ、本件増改築により建物の命数が延長され借地契約の期間に影響を与えることが明らかであること(現在の情況下では、あと三年余で到来するところの右契約の存続期間満了時に、契約更新されるべきことが明らかである)、などを考慮すると、これにより受ける相手方の不利益に対し財産上の給付をさせることが適当であるというべきであり、……本件の場合三・三平方米当り一万円、合計二六万二二〇〇円が相当であると認める。
2 そして賃料についても、現在三・三平方米当り一ケ月七五円の割合であり、今迄比較的順調に改訂されてきていることは明らかであるが、右七五円の金額は昭和四一年一月に改訂され既に二年を経過しているのであるし、かつ前記のとおり本件土地は商店街であるうえ、今回の増改築により店舗部分も若干整備され幾分売上も上昇することが期待されること、その他一切の事情を併せ考えて、鑑定委員会の意見を徴したうえ、本件の場合三・三平方米当り一ケ月九〇円と改めることが相当であると認める。<以下略>(渋川満)